朝食後、珍しくフロウが直々に会いに来てくれた。

「珍しく今日はシンプルな服だね」

 ひらひらフリフリのゴシック系ばかりだと思っていたら、シックな感じの服に少し驚いた。

「今日は特別ですから。そしてそのことを伝えに来たのです」
「何かあるの?」
「例の男と面会できる機会ができました」
「え、昨日の今日で!?」

 フロウに常識は通じない。何にしても、真実に大手をかけたも同然だ。

「急にすべてを話す気になったみたいで、なぜなのかは分かりませんが」

 だから服が違うのかな。さすがに自宅謹慎とは言え、国家に捕らえられた人物に会いに行く服じゃないと思うからなぁ。
 どうやらフロウにも常識があったようだ。


「あ、それならマナちゃんを連れて行ってもいい? 真実を知りたがっていたから」
「もとよりそのつもりです。その方が、いろいろと吐いてくれそうなので」

 そうと決まると、自然にだるかった体も不思議に元に戻っていく。
 真実が分かるということに好奇心が疼いていった。