【長】純白花嫁


 翌朝、わたしはだるさで目覚めてしまう。
 寝て疲れるなんて、呆れを通り過ぎ、悲しい気持ちになる。

 朝一番から溜め息を吐くわたしにリュイスが話しかけた。

「あんなに寝たからじゃないのか、寝過ぎて疲れるってことがたまにあるから」
「確かにそうだけど、それなら寝過ぎた自分が物凄くイヤ」

 布団に顔をぶつけ、じたばたする。
 行き場のない感情ほど、厄介なものはない。

「なんなら今日1日はゆっくり過ごしたら」
「でも暇ってダメなのよ。何かしてないと逆に疲れる」

 そう言うと、変わってると笑われた。
 朝陽を浴び、輝かしい黄金の髪を靡かせてながら言う姿がどこか腹立たしい。
 でもそんな姿も好きなわたしはどうかしている。

 昨日のエッカルト侯爵も爽やかそうな方だったけど、やっぱりリュイスがいいなと心の中でそっと呟いた。
 本人には絶対に言えないけど。

「まあ、無理はしないで」
「あなたもね」

 そう言いながらお互い笑いあえる関係が好きだったりする。