【長】純白花嫁

 テーブルにフルーツバスケットが置かれてある。
 晩御飯を食べなかったから置かれているのかもしれない。

 でも食べようとは思わなかった。
 寝起きだし、食欲がわかない。
 どうすることも出来ないのでそれには手を付けず、シャワーだけ浴びてからもう一度寝ようと決めた。


 簡易浴室は簡易とは言えない豪華なものだが、こんな時そばにあるのは物凄く助かる。

 脱衣所で服を脱ぐ。
 あのまま寝たため、少しシワになっているのが申し訳なく思う。


 熱いシャワーは目を覚ますにはいい。
 だけどこれからまた二度寝したいわたしには、少しきついものだ。


 だるい体を洗うと、なぜか余計に疲れた。
 早く終わらせようと雑に済ませ、体をふき、髪を乾かす。

 再びベッドに戻るとこれまた心地よいだるさが襲い掛かり、そのまま寝てしまった。

 明日には、疲れが取れているのも信じて。


 だけど、現実はそんなに甘くはなかった。
 朝起きた時にそれに気付く。