【長】純白花嫁


 エッカルト公爵。貴族でありながら、皇族とも親しい交友関係のある一族の当主である。
 その公爵の息子、エリアスもまた侯爵位をもっており、社交界でも有名だ。
 2年ほど前にデビューして以来、若手貴族として注目されているが、未だ独身というのもあり、若い娘たちにはあこがれ的存在らしい。

「どんな人がどうして重要参考人になるわけなの」

 事件性なんて見られない。だが、その彼が囚われたマナちゃんを発見するまでに至った過程が気になる。
 考える限りでの接点などは見当たらない。


 広い庭を前にしてそんなことを考えていた。皇宮と同じように整備された庭。色とりどりの花に緑豊かな芝生。
 管理するだけでも大変そうだ。

「もちろん私の場合は予め連絡していましたから、こうして招待されているわけですが、もし私がいなければあなたたち……どうしていたのですか」
「さぁ、そこまで考えてなかったし、ねえ?」
「うん、行き当たりばったり」

 計画性のないわたしたち二人と違い、やはりフロウは格が違うなあと改めて感じさせられる。

 玄関ホールのところまで行くと、一人の青年が立っているのが見えた。
 遠い場所からでも背が高いのが分かる。それに見事な金髪だ。
 この国にはやはり金髪の人たちが多い、しかしながらリュイスやわたしのように、同じ金髪でも質が少し違うというのを感じる。
 彼の髪はわたしよりは濃いが、やわらかな色合いをしていると思う。