トップもいないのに、組織として成り立っているのかという疑問がおこる。
「言い方が悪かったですね。もちろんこの間まではいましたよ」
では、何らかの理由により解雇させられたが、後がまがまだ決まっていないといったような状況か。
「そうあのナーディア様とよく似た少女が発見されるまで、最高神祇官としてここにもおられました」
「どうして、そのナーディア様……と関係が?」
この人はマナちゃんをナーディアと同一人物として扱っていない、というのが分かったけど、今はそれどころではない。
「あの子を監禁していた男こそがこの神殿の最高神祇官だったんです」
「神に仕えるような人がそんなことをしていたの?」
体に電流が走るような感覚。驚きで体が微動だにしない。
そういえばこの前、高貴な神祇ではあったとは聞いていた。でもまさかトップだったなんて。
「何故かはまだ明らかになってませんが、そのようなことをする人間が神祇として存在していたことが問題です」
これは神への冒涜。
しかも神の言葉を預かる神寵姫に対しての行いならさらに重罪、神はお怒りにならないかと神殿の者たちは危惧していた。


