【長】純白花嫁

 しかし、なぜ男について調べる時間がかかるのだろう。
 普通ならば、これくらい長い期間で調べるのが普通といえるかもしれないが、自分の欠点を何一つ見せないフロウならそれすらも可能と思っていた。
 だからこそ、フロウならあっという間に解決すると信じていたのかもしれない。
 苦手なこともないように思っていたが、今回は思った以上に難しいようだ。

「一体フロウは何に手間を取っているのだろう」
「そんなにややこしいことなのか?」

 難しい顔をして悩んでいるわたしに対して、珍しいものを見るような目で、リュイスは話す。
 確かにここまで、何をすればいいのかということに対しては、悩むこともなく過ごしてきたような気がする。
 わたしは昨日までにあったことを、リュイスに話した。自分の頭の中でまとめるつもりも含めて。

「問題はその男についてだろうけど、よっぽどのことのことがない限り、行き詰まることなんて」
「考えられることはその男が“よっぽど”ってこと」

 でも一体なにが? そのことについては自分で調べていこうか。ちょうど今、暇をもらったことだし、これはいい機会になりそうだ。