最初のあの小さな一つの玉だったころと比べると、その差は歴然。今までの変化の有り様が伺える。

「気づかぬうちに、秘玉飾りに近付いているんだ」

 リュイスはそう言うと、わたしのところまで近付く。ゆっくりと、その差は狭まり、秘玉の一つを手に取った。

 そしてそれに軽く口付けた。

「この秘玉は愛の形だ。合歓が俺を愛してくれているという証」
「あかし……?」
「だって秘玉は妃としての自覚がなければ、成長しない。その根底にあるのは愛」

 その愛は時に義務的であるかもしれないし、上辺だけのものかもしれない。
 でも今、ここで形と成っている秘玉は純粋な相手を思う愛の形、だと言う。


「まだ光輝く完成形ではないと言うことは、これからもその愛は広がり続けるんだ」
「そもそも愛に終わりなんてないんじゃないの?」

 そう聞くと、その通りだと笑っていた。
 優しい囁きも、時に激しい口付けも、終わりを迎えることなく、夜はふけていく。