そして話を少し変える。これからのことについて。

「マナちゃんはこれからどうする? 無理やり喚ばれたのなら、還る方法もあると思うけど。それともこの事件を解決した後に還るか……はたまた還る方法自体がないかもしれないけれど」
「取り敢えず、今すぐ還ろうなんて思ってない。事件の解決もしたいし、それに気がかりなことがあるの」

 ただそれが何なのかは分からない、そう付け加える。
 だけど、方向性は決まった。まずは真相を解明する。

「今のところ分かることは全部話したから、次は男の言い分を聞くことね。今日はこれで失礼するけど、これからもよろしくね」
「うん、よろしく。久しぶりに同世代のしかも同じ世界の人と話が出来て嬉しかった、ありがとう」

 笑顔でお礼を言う姿に、今まで苦労してきたのにすごく前向きだなぁと感心した。
 その姿を見て、本来の目的も思い出した。
 彼女の話し相手。初めての公務は自分でも満足出来るものになった。