「戻ってきたのなら、いいことなんじゃ」
悪いようには考えられない。
だけど、フロウはいつになく真剣に答える。
「それが今回、それが発覚した経緯に問題があるのです」
きっかけはひとりの若い貴族。彼は駆け込むようにしてフロウのもとにまで行き、衝撃の真実を語ったという。
その時のことを思い出しながら、フロウは語る。
「彼の話によるとその神寵姫が舞い戻ったのは一年も前のことと言っています」
「一年!? でも最近知ったって」
「どうやらとある神官の屋敷に監禁されていたよいで……たまたま屋敷を訪れたその青年に発見されました」
一年も監禁されていた、非現実的なことに一瞬意識が飛びかける。
「先日、話を聞いて内密に潜入し、現在神殿にて保護しているという流れです」
大事になっては国も動くからと、神殿関係者ごく少数で行ったらしい。
ちなみに婚姻の儀式を決める直前。あの頃にそんなことがあったのかと思うと、ぞっとする。
逆に言えば、直前に解決したからこそ、フロウはその話を持ち出したのかもしれない。


