夜、晩御飯も終えて部屋で一人寛いでいた。
 リュイスはまだ帰って来ない。何でも、今いざこざがあって厄介なことになっているというのは、周りのメイドたちが言っていた。

 事情が事情だから仕方ないと思うけど、やっぱり寂しいな。
 ほら、仮にも新婚なのだし、もうちょっと一緒にいたい。新婚旅行だって予定が合わず、延期だし。

「結婚した意味ってもしかして事務的な何かだったのかなぁ」

 大きなベッドに一人むなしく入り、考え込む。だけど次第に睡魔が襲ってきた。


――寂しい、一人。

 そうだね、わたしも寂しい、今ひとりきり。
 ……誰かが話し掛けてきている。


ーーそれに怖い! せっかく見つかったのに、どこにいるの!

 見つかった?
 にしてはかわいそうね。

――たすけて、吾子!!

 刹那、物凄い力が降ってきた。押さえつけられ、縛られたような感覚。

「く、苦しい」

 かと思えば、周りは一気に闇に包まれて何も見えなくなる。
 怖い、苦しい、恐怖が迫っている。