例のごとくその日も暖かくよい天気だった。
ただ違うのは乾燥が酷く、土ぼこりが少し酷かった。
部屋から中庭を通り、衣装部屋へと移動したときも、目に砂が入ったようだった。
「ん、いたっ」
「大丈夫ですか」
付き添っていたメイドに声をかけられたけど、前は黄砂の季節になるとよくある出来事だったし、平気なはずだった。
でも髪も汚れてはいけないと頭から薄い紗を掛けられた。
「でも今日は特別ですから」
「……そうね」
今日はいよいよ結婚式。それはすべてのスタート、わたしのこの国でのやるべきことの第一歩。
改めて思うととんでもないことのようだ。
まるで他人事のような。でも、この日のためにと作られたドレスを見ると実感せざるを得ない。
離れてにある衣装部屋に着くと、すでにドレスが準備が整っていた。
小さな宝石が散りばめられたシンプルな白いドレス。こうしてじっくり見るのは初めてで、心踊った。
わたしだって女、きれいな服を着ることに憧れる。
「さぁ、お着替えをしましょう」
日が高く上ろうとしていた。


