「で、私のところに来たんだ」
「えっと、あ、はい」
わたしが行った先はリュイスのところ。だけど、やはり忙しかったのか、目元に隈が出来ている。
いつもは太陽のような黄金の髪も、少しくすんで見える。いやボサボサしてる?
何より、他人行儀のような喋り方。どうしたのだろう。
「あ、いやごめん。別に合歓が悪いんじゃないんだ。この忙しさも合歓と結ばれる上での宿命なんだ」
「あっそうなの……」
何も言えず、俯く。
「顔をあげて。それにそんなこと聞く必要ない。この国は合歓の国でもあるんだ、どのようにしたって誰も怒りはしない」
皇王や皇妃さまでも?
なんて浮かぶも、口にはしなかった。
「そっか。ありがとう、忙しいのにわざわざごめんなさい」
今この時間も惜しいかもしれないのに。
そういって帰ろうとしたとき、右手を引っ張られた。反射的に振り返ろうとしたら、体に温かさを感じる。
「へぁ?」
「またしばらく会えないかもしれないから、元気をちょうだい」
彼は不安なことがあると、抱き付いてくる。存在を確かめるように。
だから、わたしも抱き返した。1人でないことを知るために。
「今度会うときは、もっと笑い合おうね」
「そうだな、逢えなかった分、たくさん埋め合わせをしよう」


