【長】純白花嫁


 慌ただしい日々の中、やっぱり落ち着くのは庭園で花を眺めることだった。
 顔と名前が一致しない人たちに急かされ、知り合った人たちとは忙しく会えない。
 今になって、わたしの発言はトンでもないものだったのかもしれないと気づく。

「余計落ち込んでどうするんだろう」

 落ち込んでは自分を励まし、また別のことで落ち込む。その繰り返しに自身も嫌になってきていた。

 ふと、目に付いた場所。花もなく淋しげなところがある。疑問に思うも、それを見て閃いた。

「ああいう場所に野菜とか植えたらどうだろう」

 約束を果たすまでにはまだまだかかりそう。でも、わたしの気持ちは少しずつ動くかもしれない。

「そうとなると頼まないと……って誰に」

 庭師さんとか?
 でも残念ながら面識がない。それどころかそのような人がいるのか?

 辺りを見回すも人っこ1人いない。なのにきれいに整備されているなんて。
 困った末に、頼る人はやはりあの人だった。