【長】純白花嫁


 正式に結婚することになり、婚礼の儀式が行われるようになった。
 これまでの妃教育に関する勉強はもちろん、儀式での立ち振る舞い、礼儀作法を特に重点的に学ぶことになっている。

 この格式張った儀式、相当疲れる。
 まだ下準備の段階なのに、服の採寸、当日の動きの練習、さらにはエステサロンで肌に磨きを上げる。
 この間は新郎新婦ともに、それぞれのことに専念するために会ってはいけないらしい。
 時間にして、約1ヵ月。短いようで、長い。

 今は仕立て屋の子と式で着るドレスの生地を選んでいる。採寸はもう終わった。採寸も大変だったけど、生地選びはもっと大変。

「神殿での儀式は必ず、秘玉の色なんですよ。合歓さまの場合は純白ですね、まぁ珍しい!」
「そうですか?」

 わたしの中でウェディングドレスは白に決まっているけど、この国での一般的な色は薄い青色らしい。

「純白の花嫁、合歓さまにぴったりです。でも教会や凱旋、夜会では別の華やかなのもステキですよ」

 そう、当日一番大変と思われるのは俗に言うお色直しだ。