【長】純白花嫁

 その後、部屋に戻った。いや、どこにも行きたくなかった。
 広々としたこの部屋はどこか落ち着かない。
 一人で考えようにも、考えることが出来ず、ぼうっとしていた時だった。

「合歓、いつ帰ってきたんだ!」
「あ、リュイス」

 極々自然に入ってきて、ベッドに座るわたしの隣までやって来た。
 本当に久しぶりで、溢れ出す思いでいっぱいなのに、今の何とも言えない気持ちが上回ってしまい、言葉が出ない。

「何で、一番に行ったのが、あの管理者のところだったんだ」

 少し機嫌を悪くしているみたい。

「それは…いいたいことがあったから」
「おれじゃだめなのか」
「そう言う意味じゃなくて」

 とっさにリュイスの腕のところを握った。だけど、その後すぐにフロウのあのセリフが頭によぎり、急いで離した。

「えと、フロウから何か言われた?」
「いや、ニヤリと笑ってどこかに行った」

 あの子、本人にはわたしの方から言わせるつもりなの!?
 だけど、言わないと先に進めれない

「この1ヶ月ね、いろんなことが分かったよ。苦しい生活をしている人もいた。わたしになにか出来る事はないかって悩みもした」