何処を走り回っても探している人物は見当たらなかった。
サッカー部、野球部、ソフトボール部。
各々の部活が声を出して尽力していた。
本当は、アイツらだってこうやりたいはずなのに…。
一度強く拳を握ってもう一度走り出した。
校庭にいないなら、と向かう先を変える。
そこは裏庭。
裏庭の、一段と大きな木の下で
"KIRIYAMA"
と書かれたジャージを着ている奴がうずくまっていた。
走っていた足は止まる。でも、その足は自然と早歩きになっていた。
ガサガサッ
遥「!!」
驚いたように肩を跳ね上がらした篠木に、構わず近寄った。
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