「……ゼェゼェ。おかしいぞ。そろそろ民家が見えてもおかしくないだろうに…。」




膝を笑わせながら彼は辺りを眺めていたが、だんだん日が傾いてきていたため八雲は焦っていた。


「ヤバい。このままだと野宿か?絶対にイヤだぁ!」


右往左往していると辺りはすっかり真っ暗になってしまった。




「あーっ!真っ暗になっちまったじゃねぇかぁ!」





今夜は野宿かと諦めようとした時、ギッ、ギッと何かが軋む音が聞こえた。