「ふぁ〜あ。」



昨夜、八雲の部屋でキャンキャン騒いでいた薩摩が出ていったので寝不足で大きなあくびをする。



“何か、昨日は1日部屋にこもりっきりだったからなぁ…。”



夏澄の目を輝かせた顔を思い出し浮かれ顔になりそうになる。


間抜けな顔を表に出さないように廊下を歩いていると向こう側から人の気配がする。



“あれ?珍しい宿泊客かな?鉢合わせになるのは初めてだ。しかも女の人…。”