おかっぱ頭の少女と黒い影が旅館の奥へと進んでいく。


行き着く先は洞窟。


と言っても旅館と繋がっており先は暗くて見えない。

「さぁ。この先ですよ~。お進みくだしゃんせ。」


おかっぱ頭の少女が笑顔で誘導する。



「槿(むくげ)。早く。禊(みそぎ)をしないと。」


少女は立ち止まり振り返る。

背後には槿と正反対の雰囲気を持つ少女が立っていた。



「え~。お客様が遅いのに~。槿のせいにされた!何かムカつく、蓮華(れんげ)のくせに。」



プクッと膨れっ面になって蓮華を睨んだ。