2泊3日の旅行が終わって、
学校に帰る準備をし、バスに乗り込む。
いつもなら張り切って桐生くんの隣に座りたがるあたしなのに、
美紗の隣におとなしく座った。
美紗には一瞬不審な顔をされたけれど、きっと何かある、ということは感づいたんだろう。
何も言ってこない。
桐生くんの隣には、当然のように可愛らしい女の子。
きゃぴきゃぴしながら桐生くんに話しかけて
可愛らしく笑っている。
会話が成立しているのかは分からないけれど、
楽しそうなのには変わりない。
「…美紗」
「なぁに?」
「美紗、あたし…
あたし、輝くんと付き合ってるの…」
一瞬前に座っている輝くんの頭がびくっと動いた気がした。
一瞬心が揺れた。
もしかしたら、と淡い期待がこみ上げてきた。
「桐生くん、寝てるぅ」
隣に座った可愛い子が甘い声でささやいたのが聞こえた。
あたしは、輝くんと付き合うって決めた。
あたしが言った。
なのにこんな風に簡単に揺れるなんて最低だ。
いや、
付き合おうって言った時点で最低だ。
違う…
違う違う。
逃げたんだ、輝くんに。
すきって言ってくれて、あたしを満たしてくれる輝くんに逃げた。
最低で最悪だ。
人の好意に甘えて利用する、最低だ。
「…そう」
遅れて返ってきた美紗の返事。
学校に帰る準備をし、バスに乗り込む。
いつもなら張り切って桐生くんの隣に座りたがるあたしなのに、
美紗の隣におとなしく座った。
美紗には一瞬不審な顔をされたけれど、きっと何かある、ということは感づいたんだろう。
何も言ってこない。
桐生くんの隣には、当然のように可愛らしい女の子。
きゃぴきゃぴしながら桐生くんに話しかけて
可愛らしく笑っている。
会話が成立しているのかは分からないけれど、
楽しそうなのには変わりない。
「…美紗」
「なぁに?」
「美紗、あたし…
あたし、輝くんと付き合ってるの…」
一瞬前に座っている輝くんの頭がびくっと動いた気がした。
一瞬心が揺れた。
もしかしたら、と淡い期待がこみ上げてきた。
「桐生くん、寝てるぅ」
隣に座った可愛い子が甘い声でささやいたのが聞こえた。
あたしは、輝くんと付き合うって決めた。
あたしが言った。
なのにこんな風に簡単に揺れるなんて最低だ。
いや、
付き合おうって言った時点で最低だ。
違う…
違う違う。
逃げたんだ、輝くんに。
すきって言ってくれて、あたしを満たしてくれる輝くんに逃げた。
最低で最悪だ。
人の好意に甘えて利用する、最低だ。
「…そう」
遅れて返ってきた美紗の返事。

