ツンデレ★カレ

…美紗。



美紗…?


美紗が居ないとあたしは何にも出来ないただの子ども。
自分の弱さに今更気づかされて
どんどん黒いものが胸にたまっていく。



「さ、行こう」

大きな手で背中を押された。


手をつなぐのかと思ったけれど、
あたしの心を読んだかの行動。


「ごめん」


「なんで謝るの?
楽しまなきゃ損だからね?」




その後、いろんな生き物を見て回った。
サメも見た。
本当に珍しい生き物だって見た。


だけど、だけど

あたしの胸を埋める黒いものがあたしを支配している。



「輝くん…」


「ん?どしたの?」


変わらぬ笑顔を見せてくれて、ものすごい安心感に満たされたけれど
やはりどす黒いものがあたしを邪魔する。


「輝くん…あたしのこと、すき?」


なんでこんなこと聞いたのか分からない。


「すきだよ、決まってるじゃん」


「…じゃぁ、あたしと付き合おうよ」