パリ・ローマ幻想紀行

バスは地下駐車場に停車した。ルーヴル美術館は広く、見学者も大勢いる。一行はガイドさんの案内にしたがって移動した。全部見るには三日以上はかかる。限られた時間であるから、致し方のないところである。ピラミッドがあるナポレオン広場を通り中に入る。中世に築かれた城壁が展示されているシュリー翼側を通り抜け、古代エジプト美術を足早に見ながら人が流れる。そして、ミロのビーナスの像の前に淀みができていた。写真などで見慣れた像である。像の正面でしばし眺め、後側へと回る。そして、人の流れに乗ってそこを離れた。伊沙子さんはサモトラケのニケの像の所で、足を止めた。案外人は疎らであったので、私はビデオカメラを回して、伊沙子さんをワンカットに収めた。
 人の流れは、ナポレオン一世の聖別式やメデュース号の筏などの絵画の前を流れて行く。画布は大きく、絵の具をふんだんに使っている。まるで、カラー写真のギャラリーのようだ。そしてまた、モナリザの前に淀みができていた。画布は小さく、薄暗い奥の方に掛けられていた。