パリ・ローマ幻想紀行

(2)パリ市内観光
(ⅰ)ルーヴル美術館
 六月十九日のパリの空はどんよりと曇り、時々雨が落ちていた。ローマからヴェルサイユ宮殿までは、太陽がギラギラしていたのは幸いである。バスはモンパルナスのホテルを出て、エッフエル塔の横を通った。
「皆さん、エッフエル塔に電光の数字が見えます。何の数字だと思いますか?ご存知の方は居りませんか?居ないようですね。あの数字は、西暦二千年まで、後九百二十六日と言うことを表しております」
 バスはセーヌ川沿いに暫く走り、セーヌ川を渡った。そして、凱旋門のところに出た。バスはゆっくりと凱旋門の周りを回った。
「皆さん、ここには、信号はございません。横断歩道もありません。凱旋門の右側の彫刻が有名でございます。義勇兵の出陣を表しております。通称ラ・マルセイエーズと言います。祖国の危機を救うために、義勇兵の募集に応じてマルセイユからやってきた兵士達が、愛国歌ラ・マルセイエーズを歌いました。これが現在のフランス国歌になったのです。信号はないけど、事故はありません。ぐるぐる凱旋門の周りを回って、放射状になっている目的の道路に出るのです」
 バスはある道路に出て停車した。ガイドさんは、パリの朝市に案内してくれた。狭い道路の片側に、野菜や果物を一杯に並べた店が並んでいた。買い物篭をかかえた、若い奥さんや歳をとった女性で賑わっていた。私は、ビデオカメラをスタンバイして、伊沙子さんの後を追った。