パリ・ローマ幻想紀行

このビリヤードの間も衛兵の間も金箔が張られていた。
「ここはメルクリウスの間でございます。正殿の夜会の時に、王のゲームが開かれました。この部屋は、控えの間として、また盛装の寝室として使用されました。精巧な刺繍で飾られたドーム型の天蓋がついたベッドが置かれておりました。豪勢なブロケード織布で覆われた壁には、有名な絵が掛けられていました」
相変わらず、金色に輝いている。
「ここはアポロンの間でございます。玉座の間と呼ばれております。壁布は季節によって取り替えられていました。冬は金銀であしらった刺繍のある深紅のビロード、夏は金銀の刺繍で飾られました。玉座は金色のペルシャ絨毯に覆われた壇上にありました。絵はルイ十四世と十六世です」
勿論、金色に輝いている。
「ここは戦争の間でございます。軍隊の勝利を称えたテーマをモチーフにした装飾で飾られております。装飾は金箔青銅で作られております。馬上の人はルイ十四世です。この戦争の間から鏡の回廊へと繋がっております」
 広い鏡の回廊に来て、圧縮されていた見学者の群れは膨張して疎らになり、見学者の流れは緩やかになった。