「ヴェルサイユ宮殿は、ルイ十三世が、狩猟を楽しむために建てた、小さな城館でありました。当時は本当に小さな田舎でございました。次の王であるルイ十四世は、この田舎が大変気に入り、新たな宮殿を造営したのでございます。それが、今のヴェルサイユ宮殿です。そして、ルイ十四世の政府所在地と王宮を、このパリ郊外に移したのです。パリ郊外に新都市が誕生しました。ルイ十四世について、少しお話しましょう。ルイ十四世が朝起きる時から夜寝る時まで、自分の行動を分刻みで儀式化しました。例えば、七時に王の所へ配下の侍従を迎え入れ、陛下お時間でございますと言います。八時十五分に、寝室のカーテンを開けます。その日のカツラの選択、その日に接見する貴族の紹介、朝食、召し変え、礼拝堂でのミサなど、分刻みで儀式化したのでございます。また、この儀式には細かいエチケットが伴いました。貴族達を骨抜きにして、仕えさせるためです。娯楽も大変好きでした。最新の優雅なモードに身を包み、庭園を散策したり、運河で舟遊びをしたり、狩猟には数千羽のウズラが放たれたり、宮廷内では、第一級の音楽会を開いたり、ビリヤード、トランプ、賭博をしたり、週に三回は夜の舞踏会を開いたり、国賓を招いて晩餐会を開いたり、一週間も続く王の祭典を行ったり、芝居なども上演されたりしました。また、建物も装飾品も贅を尽くしました」バスは、高級住宅が並ぶ静かな町並みに入ってきた。



