「皆さん、パン屋です。パンを焼いたかまどや、ひき臼があります。よくご覧下さい」
私は、かまどを覗き込み、ひき臼を手で撫でた。円形の石の台座の上に、円錐形の臼が固定されており、この臼にすり鉢状の臼が被せられている。四個のひき臼が等間隔に四辺形の四隅に配置され、もう一つのひき臼がこの規則的な配置から離れて一つ置かれていた。この配置は当時のままであろうと思ったときに、そこに当時の息吹を感じるのである。また、二つのひき臼には、すり鉢状の臼が被せられていなかった。粉挽き以外に用がないところから見て、盗賊に奪われた気配はない。恐らく、当時の姿そのままに違いない。予備のひき臼なのか、それとも穀物の種類によって使い分けていたのだろうか。ここにも当時の息吹が感じられる。被せられたすり鉢状の臼は、鼓形をしていて、その細くなった胴のところに四角い穴があいている。たぶん臼を回すための角材が差し込まれていたのだろう。
「仁さん、写真撮って」
私は、かまどを覗き込み、ひき臼を手で撫でた。円形の石の台座の上に、円錐形の臼が固定されており、この臼にすり鉢状の臼が被せられている。四個のひき臼が等間隔に四辺形の四隅に配置され、もう一つのひき臼がこの規則的な配置から離れて一つ置かれていた。この配置は当時のままであろうと思ったときに、そこに当時の息吹を感じるのである。また、二つのひき臼には、すり鉢状の臼が被せられていなかった。粉挽き以外に用がないところから見て、盗賊に奪われた気配はない。恐らく、当時の姿そのままに違いない。予備のひき臼なのか、それとも穀物の種類によって使い分けていたのだろうか。ここにも当時の息吹が感じられる。被せられたすり鉢状の臼は、鼓形をしていて、その細くなった胴のところに四角い穴があいている。たぶん臼を回すための角材が差し込まれていたのだろう。
「仁さん、写真撮って」



