「葛藤というのはのぉ、自分自身を深く見つめることじゃ。そこには他人も居ないのじゃ、富もないのじゃ、ただ自分自身のみがあるのじゃ。周りには何もないのじゃ。それはのぉ、深い深い淵の底のような静かな世界なのじゃよ。そしてのぉ、ジーっとその静かな世界に身を置くとのぉ、自分自身は一人の人間であることが見えるのじゃ。そのときにことばが生まれ静寂が訪れるのじゃ。ダイヤモンドを一つも持っていなくても、ヴェルサイユ宮殿の住人と同じ人間にのぉ。貧乏人も金持ちも居ないのじゃよ。ただ人間が居るだけじゃ。満足感に浸っている、ヴェルサイユの住人の景色を足元に見ることができるのじゃ。そしてのぉ、別の高い山が見えるのじゃよ。あなたには、この景色が見える筈じゃ」
「はい、見えます。あなた自身、私はイエスだと言ったあなたも見えます。我々は何処から来たのか、我々とは何か、我々は何処へ行くのか。あなたのことばが見えます。どうしてタヒチを選んだのですか?」
「あそこにはのぉ、深い深い淵の底があるように思えたのじゃ」
「仁さんそろそろ時間よ。何をぼーっとしてるのよ」
伊沙子さんは、珍しく私を誘導した。白い馬の絵の前には、私一人しかいなかった。ゴーガンともっともっと語り合いたかった。
「うん」と私は短く返事をした。
「恵美さん達が待ってるわよ、急がないと」
「はい、見えます。あなた自身、私はイエスだと言ったあなたも見えます。我々は何処から来たのか、我々とは何か、我々は何処へ行くのか。あなたのことばが見えます。どうしてタヒチを選んだのですか?」
「あそこにはのぉ、深い深い淵の底があるように思えたのじゃ」
「仁さんそろそろ時間よ。何をぼーっとしてるのよ」
伊沙子さんは、珍しく私を誘導した。白い馬の絵の前には、私一人しかいなかった。ゴーガンともっともっと語り合いたかった。
「うん」と私は短く返事をした。
「恵美さん達が待ってるわよ、急がないと」



