「あなたのこの絵の静寂は、ベートーヴェンの田園に重なり、カミューの異邦人に重なります。もしもあなたが音を用いたら田園が生まれたでしょうし、文字を用いたら異邦人が生まれたでしょう。私にはそのようにあなたが見えます」
「私は、絵を選んだのじゃ」
「あなたは、ゴッホと議論したそうですね」
「議論じゃないんだよ、私には彼が見えるが、彼からは私が見えないのじゃ」
「どういうことですか?」
「彼はまだ葛藤のままじゃ。葛藤の後の静寂まで至っていないのじゃ。私はそれを彼に言って聞かせたのじゃよ。彼の絵には葛藤に止まっている彼自身しか現れていない。静寂はないのじゃ。耳を切って葛藤から逃れたのじゃ。精神病になったのは、静寂の世界が見えなかったのじゃよ。自殺は葛藤からの逃避じゃ。私にはそれが見えていたから、彼に静寂の世界を説いたのじゃ」
「あなたは、彼との同居生活から逃れましたね」
「逃れたのではない」
「どういうことですか?逃れたのではないのですか?あなたが彼と同居しておれば、彼は精神病にもならなかったし、自殺もしなかったと思いますが」
「私は、絵を選んだのじゃ」
「あなたは、ゴッホと議論したそうですね」
「議論じゃないんだよ、私には彼が見えるが、彼からは私が見えないのじゃ」
「どういうことですか?」
「彼はまだ葛藤のままじゃ。葛藤の後の静寂まで至っていないのじゃ。私はそれを彼に言って聞かせたのじゃよ。彼の絵には葛藤に止まっている彼自身しか現れていない。静寂はないのじゃ。耳を切って葛藤から逃れたのじゃ。精神病になったのは、静寂の世界が見えなかったのじゃよ。自殺は葛藤からの逃避じゃ。私にはそれが見えていたから、彼に静寂の世界を説いたのじゃ」
「あなたは、彼との同居生活から逃れましたね」
「逃れたのではない」
「どういうことですか?逃れたのではないのですか?あなたが彼と同居しておれば、彼は精神病にもならなかったし、自殺もしなかったと思いますが」



