パリ・ローマ幻想紀行

オルセ美術館は、モンパルナスからは近い。セーヌ川の向こう側には、ルーヴル美術館が見える。
「オルセ美術館は、最初はオルセ駅でした。建物自体はその当時の駅のままです。特にアーチ形の天井はそのままです。オルセ美術館にある絵の大部分は、寄贈されたものです。オルセ美術館の特徴の一つは、絵画史の順に並べられております。先ず、ありのままを映し出す当時の写真技術による写実主義に画家達は魅了されました。しかし、当時の写真はカラー写真ではありません。この写実主義に色彩を加えた印象派が生まれたのです。目に見えるありのままを表現することです。次には、色彩はニ~三の純色が組み合わさって、網膜の上で視覚混合するという化学的な色彩の分析を基調としました、新印象派です。パレットの上で色を混合しないで、細かい筆使いで、画布の上に純色をそのまま積み重ねてゆく画法です。次に、同じ印象派でも、マネやドガのように、実生活を深く追求し、そこに生きる人間性を深く表現するようになります。そして、ゴッホのように、人間の内面を現す画風です。ゴッホになると、目に見える事物をありのままに表現するという印象派からは離れます。これには、何々派という派はありません。そして、ルドンやゴーガンのように、目に見えるものをそのまま表現しないで、目に見える事物を借りて、色彩が持つ感情を利用し、自分自身を表現する象徴主義の順に並べられております」