すっかり同級生達に囲まれた彼から


アタシは少し離れる。




そして、そっと自分の髪に触れる。




――やっぱりアップにしてきて良かった。




普段、出掛けるときはしないけど


今日は絶対この髪型にしようと思っていた。




小学生の頃、いつもポニーテールだったから。




緩くまとめたダケだけど、


気付いてほしかったから…。




そして、気付いてもらえた。




それだけで自然とにやけてしまう。




「琴羽、よかったじゃん♪」


好美がツンツンと脇をつついてくる。


「えへへ〜〜ッ」


アタシ今、完全に締まりのない顔してると思う。




でも、嬉しくて笑っちゃう。