「だから琴羽はなんで家に入んないの?」 後ろからおネェに声をかけられる。 「あ、お帰り」 「何見てんの?」 おネェが手紙を覗き込んでくる。 「な、なんでもない!」 アタシは咄嗟に手紙を封筒へと戻す。 「ふ〜ん。これからデート?」 おネェは顔をニヤつかせながら こっちを見てくる。 「そ、そうだけど」 「楽しんできてね。 愛しのアッキーとのデート」 「なんで知ってんの?!」 「さぁねぇ」 おネェはそう言いながら 家の鍵を開けると 手をヒラヒラさせながら 中へと入って行ってしまった。