「さ、行こう?」


そう言って、


林クンは手を差し延べてくれた。




「……うん」




アタシは林クンの手を取ると、


神社の境内から降りた。


そのまま公園に移動して


二人並んで桜を見上げる。




「オレ、夜桜って初めてかも」




ポツリと林クンが呟く。




「……アタシも」