校庭の桜の大木が 淡いピンク色の花びらを 風が吹く度にひらひらと舞わせていた。 毎年のように 見慣れたその光景とは裏腹に、 いまだ慣れぬ教室の中、 私は机の上に置いた 真っ白なノートに向かって 黙々と鉛筆を走らせていた。 クラス替えをしてから 二週間くらいたった頃。 授業と授業との間の わずかな休み時間。 学級委員の好美が 先生に呼ばれて教室にいないと 私は大抵そうやって過ごしていた。 彼に声をかけられたのは そんな時だった。