アタシは視線を林クンへと移す。 「これ…」 林クンは車のドアポケットから 一通の色褪せた封筒を取り出す。 「…?」 その封筒には少し汚い字で ”垣崎 琴羽様”と書かれている。 アタシの胸が再び激しく脈打つ。 「今更だけど、卒業式の手紙の返事」 「…!」 「卒業式の日、家に帰ってから 垣崎の手紙に気付いて すぐに返事書いたんだ」 林クンは真剣な顔でアタシを見てくる。 「…だけど、出せなかった」 困ったように軽く笑う。 その顔は小学生の頃と同じだ。