気が付くと、私達のいたファミレスに人気が増えてきていた。



裕也くんはお腹がすいたから、とパスタを頼んだ。



「亜美さん、あの人知り合い??」
さっきからずっとこっち見てるよ、と指差す方向を振り向けば
もう見たくない、と何百回も唱えたあの人がいた。
その人は目が合った瞬間こっちにすごい勢いで向かってくる。

それからスローモーションみたいにあたしを睨みつけ、頭が飛びそうになるぐらい頬を平手打ちされた。



痛みは遅れてやってくる。
殴られたところが熱くてジンジンしてる。
だけど初めてじゃなかった。
この子に殴られるのは。





「洸輝が死んで１ヶ月もたってないのに他の男とよくいられるわね
あの時あたしから洸輝を奪っておいて
よくそんなこと…っ」


彼女、松田真希は言葉をつまらせる。

真希こそ、
あの時の洸輝の浮気相手だった。




こんな所でこんな時に会うなんて
洸輝、
あんたの巡り合わせなの？




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