ギロッと睨まれた。
普通だったら怯む女子が多い。だけど私は例外。同姓にキレられてもどうも思わない機械女ですから。
「なんすか。」
「試合前なのに、あんな事しないでくれる?」
「何?主語言え主語を。」


女子にキレないのは、キレて何回も泣かせた事があるから。
結構私って怖い女なんだよ。(笑)
野球部のマネージャーが、怖くてか、目がうるうるになる。
「こ、高西先輩と、この前キスしてたやん…!」
「だから何。」
「試合前にあんな事すると、どんな選手でも気が緩むんやで?!」声が震えてる。
泣くなよ~(汗)
「あれは幸宏がやってきたんやって。私Sちゃうし、自分からキスしぃひんわあ。」
「………。」
マネージャーが走って去って行った。自転車を出しながらこの状況を目にしていた、バレー部の同級生は、笑っていた。
「幸宏て呼んでんねんや!」
「あら嫌だ。聞えちゃった?」


この事を言う気はなかった。
というか、幸宏が調子悪いのは気分じゃないかと思った。





――そして夏大会。