3つ子のさくらんぼ




「ってことで愛菜よろしくですよー」


和輝はあたしの頭の上に手をおいて、髪の毛をくしゃくしゃにする
あたしの心も…くしゃくしゃだよ…



内側から、ぐぐぐっと押されているような
中で魚が跳ねているような。

花火が上がっているような。

そんなふうに
心臓が動くのは

君に恋をしているから



『…わかったよー、いくじなしめ!』

折れた翼を隠すように言う。


ひんやり冷たい机の塗料を爪でこすると ポロポロと粉がでて、中のカフェオレ色をした木が見えてきた



「つーかやべえ!リナ待ってるな!早く行かなきゃ!」


彼は一人でかけてゆくのだ

リナを思って

廊下は、
机よりも冷えきっていた。