「ってことで愛菜よろしくですよー」
和輝はあたしの頭の上に手をおいて、髪の毛をくしゃくしゃにする
あたしの心も…くしゃくしゃだよ…
内側から、ぐぐぐっと押されているような
中で魚が跳ねているような。
花火が上がっているような。
そんなふうに
心臓が動くのは
君に恋をしているから
『…わかったよー、いくじなしめ!』
折れた翼を隠すように言う。
ひんやり冷たい机の塗料を爪でこすると ポロポロと粉がでて、中のカフェオレ色をした木が見えてきた
「つーかやべえ!リナ待ってるな!早く行かなきゃ!」
彼は一人でかけてゆくのだ
リナを思って
廊下は、
机よりも冷えきっていた。
