平安恋物語



「月様が望んでくれるならば」


にっこり微笑み、はっきりとそう告げる。


すると月様は嬉しそうに顔を明るくさせた。


「ありがとう。まあ形だけの儀式だからな。そんなに堅くならなくても大丈夫だろ」


「形だけ、なんですか?」


「ああ。本邸にお前を置くつもりもない」


「……やっぱり私では隣に置くのが恥ずかしいですか?」


おそるおそる月様を見上げると、切れ長の目を限界までに見開いた。