平安恋物語



憂の背後に腰を下ろし、後ろから腕を回す。顔は見れないが耳まで真っ赤にさせ、体を強ばらせている。


「どうした?先ほどのように琴を鳴らせ」


わざとらしく耳元で囁くと、初々しくピクリと反応を見せる。思わずくすくすと笑い声が漏れた。


「月様、意地悪しないでください///」


拗ねたように後ろを振り返ってきた憂の唇を軽く掠める。


するてまるで蛸のように顔を真っ赤にさせた。


「クスッ、さてそろそろ戻るとするかな」