平安恋物語



背後から二人の声が聞こえてきた。


「あいつのあんな笑顔、生まれて初めて見たぞ。いったいなにがあったんだ」


「それが私にもよく……多分憂姫が絡んでるのではと」


「憂姫?今さらいったいなぜ?」


「さあ……」


まったく言いたい放題して。俺をあの二人はなんだと思っているんだか。


ああそれより早く憂のそばに……。