平安恋物語

憂side


いつもとちょっと違う朝。隣に心地よい温かさを感じる。眠りから醒めようとする思考から、もう少し眠っていたいと体が反応している。スーッと隙間から朝の冷たい風が入り、ぶるっと身震いした。


「……っくしゅん」


「ほら、もっとこっちにこい」


力強い腕に引っ張られ、うつろだった思考が一気に醒めた。


ガバッと身を起こすと、横には昨夜月明かりの下で見た端正な顔があった。


「おはよう、憂」


「お、おはようございます///」


チラッと見ると、胸元の合わせがはだけていた。あの広い胸に抱かれて寝ていたなんて……