平安恋物語



「今晩はなにもしない。だから、安心して眠れ」


慈しむような手つきで長い髪を梳くように撫でる。


すると憂の目ははすぐにトロンとし、すやすやと寝息をたて深い眠りについた。


ふっと笑みが浮かぶ。規則正しい寝息を吸い取るように軽く口付け、憂を抱きなおし、俺も深い眠りについた……────。