「今夜は朝まで一緒にいてやろう。これで今までのことが許されるわけではないが、少しはましだろう」 「そ、そんな。月様にご迷惑がかかります」 慌てて距離を取ろうとする憂の腰を引き寄せ、さらに密着する体制になる。 「逃がさない。お前、俺に逆らうのか?」 妖艶に微笑んでやると、頬を真っ赤に染め、無抵抗になった。 そのまま強引に部屋に連れ込み、一式だけ引かれた布団に横倒す。 「あの、月様……」 不安げに瞳を揺らし、見上げてくる。そんな憂を包むように抱きしめ、耳元に口を近づける。