「憂か……。良い名だな」 「あ、ありがとうございます///」 照れたように頬を染め、緊張しているのか、視線を泳がせている。 憂……───。その名を聞き、本人を前にした一瞬で、二年前のまだ幼い子だった姿を思い出した。 初めて憂を見た時に、今にも消えてしまうんじゃないかと思うほど儚かった。 今でこそ月明かりの下で、今にも消えていきそうなほどだ。みなが噂する通り、とても綺麗だ。いや、それ以上に……────