平安恋物語



あまりにも寝つけない。


きっと葵のことが、あったからだろうか……?


今思えば、俺は葵の愛に応えてやったことはなかったな。








廊下にでると、心地良い夜風が吹いた。


少し散歩するか……。気が紛れるかもしれないしな。








気づけば、一度もきたことのない宮内へと足を踏み入れていた。


ここはどこだ?


月明かりを頼りに、うろうろとしていると、草木も眠る丑三つ時に、人影があった。


いったい誰だ……?