憂side


今日も私は、父から見たことも会ったこともない殿方の話を聞かされている。


「憂、来週14になったら、右京月殿の側室になりなさい」


「はい、父上」


この言葉を、物心つくまえから聞かされてきた。


「その月様は、どんなお方なのですか?」


「お前とは七つ年が離れている。私が若いころから武術を教えてきた子だ。とても賢く、自慢の教え子だ」