祖母は、病で亡くなった。いつもきていた手紙には、病気の事など一つも書いていなかった。
それも祖母の優しさだったのだろうか。そう思うと、目尻が濡れてきた。
手紙をよく読んだ
『拝啓、日比谷夏景様。
私は貴方の祖母の息子にあたる匂宮一義という者でございます。
先日の未明にて、母が息を引き取りました。長年患ってきた病でした。
貴方に折り入って、話がございますので、我が家にお越し下さりませんか。
この手紙と一緒にある封筒に入れておいた費用をよければお使い下さい。
それでは、失礼致します。
匂宮一義』
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…