教室内がざわめき始める。 なぜそんなに転校生が楽しみなのか。 転校生ったって結局は同じ人間な訳だし、そんな楽しみにすることではないと思う。 だから私にはよく理解できない。 「みんな静かにしろー」 静かになる気配などない。 きっとオジサンの声など耳に届いていないだろう。 「おーい、入ってきていいぞー」 オジサンが廊下に向かって声をかけると前方のドアがゆっくりと開いた。