☆凜side☆



むかし

まだ、あたしが小さかった頃


仕事で忙しくて、余り家にいなかったお母さんに

寝る前によく読んでもらった絵本。


タイトルは忘れてしまったけど


凄く優しい笑顔の王子様と


恋がした事がない
冷たい笑顔のお姫様の物語り



けど、そのお姫様は
笑顔が冷たいわけではなくて

自分の容姿に自信が持てなくて

どんなにキレイなドレスを着ても

高価な宝石を身につけても


心から満たされる事がなくて…



ただ…


上手く笑うことができなかっただけ…



だけど



周りの人達は


その事に気づかなくて

口を揃え


彼女は無愛想だと言い続けた。