「あの頃の蘭子は、いっつも笑っておった。
仕事も、大学卒業してから爺さんの手伝いをしてたからの
それに、よく気がきいて、頭もよくて、仕事ができてたからの、社員達からも人気だったんじゃ、オマケに、ワシに似て可愛かったからの、よくモテておった。
そんな蘭子の結婚相手に聡さんを選んだのは爺さんじゃった。
聡さんもまた、仕事ができて、三男坊だったからのう
婿養子にちょうど良かったんじゃ。
凜が生まれてからも、蘭子は仕事を続けた。
それでも、まだ休みの日には家族で出掛ける時間も、おやつを作ってあげる時間もあったんじゃがな
爺さんが、脳梗塞で突然死んじまってからは
蘭子は、爺さんの創った会社を守る為に聡さんと一緒になって一生懸命働いた。
それは本当に忙しくてな、凜と一緒におる時間を無くしてしまったんじゃ。」

